自己免疫疾患

自己免疫疾患

こんにちは。

今日は化学blogをやっていこうと思います。

関節リウマチ、バセドウ病、重症筋無力症などの名前をどこかで聞いたことはないでしょうか。これらはアレルギーと似た発症機序の自己免疫疾患と言われています。

 

アレルギーの型には1から4の種類あると説明しましたが、そのうちのⅡ型に分類される自己免疫疾患はバセドウ病重症筋無力症橋本病溶血性貧血などがあります。これらは自己抗体によって引き起こされるものです。

バセドウ病は数百人に1人程度が発症するかなり多い病気です。若めの女性に好発し、特徴的な症状には眼球突出、頻脈、体重減少、不眠、甲状腺肥大などがあります。通常甲状腺ホルモンは甲状腺刺激ホルモン(TSH)がこのホルモンの受容体(TSH受容体)にくっつくことにより、適切な量が放出されるようになっています。しかしこの病気の場合、TSHの役割をする自己抗体ができてしまい、この抗体がTSH受容体につくことにより、過剰に甲状腺ホルモンが放出されてしまい体が常に興奮したような症状が出るのです。

橋本病は30~50代の女性に好発し、バセドウ病と真逆の症状が起こります。この病気は、自己抗体が甲状腺の炎症をし、甲状腺の機能が低下することにより症状が起きます。

 

アレルギーのⅢ型に分類される自己免疫疾患で、関節リウマチ全身性エリテマトーデスなどがあります。これらは抗原不明の免疫複合体の沈着によって引き起こされるものです。

関節リウマチは30~50代の女性に好発し、関節の変形、痛みなどの症状が起きます。通常、関節の骨と骨の間は液体で満たされているため、骨と骨は接触していません。しかし、この病気の場合、免疫複合体が関節に沈着し、骨がこすれあってしまい、症状を引き起こします。

 

 

前の投稿で説明したアレルギーⅠ型も含めて、単にアレルギーと言っても蕁麻疹や鼻水がでるくらいのものから、命にかかわるような病気を引き起こす可能性があります。自分自身で自分の命を危険にさらすような疾患を引き起こしてしまうこともあるなんて、人間の体は複雑ですね。