吸収方法

吸収方法

こんにちは。

今日は化学blogをやっていこうと思います。

薬は体内で吸収、分布、代謝、排泄という過程を経ます。薬が効くにはまず、吸収されなくてはいけません。薬物が体内を移行するには、数多くの細胞膜を通らなければなりません。上皮細胞膜を透過し、循環血へ移行し、目的臓器部位の血管内皮細胞膜を透過後、組織細胞膜を透過し、作用部位に到達して、ようやく薬理活性を示します。

消化管液は水、消化管細胞は油、血液は水です。そのため、薬物は消化管から血液中に入るためには水に溶けて、油を透過して、また水に溶ける必要があります。この薬物の生体膜透過には色々な方法があります。

 

①受動輸送(単純拡散)

これは、細胞膜などの膜を挟む両側の物質の濃度差や電位差が存在するときに、物質が生体膜中を拡散、透過するものです。このとき、水溶性物質は水である消化管液、血液によく溶け、脂溶性物質は消化管粘膜によく溶けます。つまり、水溶性物質にとっては、消化管から消化管粘膜にいくところが律速段階であり、脂溶性物質にとっては、消化管液に溶けるところが律速段階であるということになります。ほとんどの薬物がこの機構をつかっています。

 

②特殊輸送(担体輸送など)

これは、水溶性の物質は細胞膜を透過できないため、トランスポーターなどの輸送担体を介して、生体膜を透過することです。生体に必須の栄養素の多くは水溶性のため、生体膜を効率よく透過できません。そのため、体はエネルギーを使って、効率よく吸収し、体を作っています。構造が栄養素に似ている薬物はこの機能を使っています。

 

受動輸送と特殊輸送の違い

受動輸送・・・Fickの法則(濃度勾配に従う)。競合阻害は起こらない。エネルギーは不要。特殊輸送・・・Michaelis-Menten式。競合阻害が起こる。エネルギーが必要。