主要ミネラルの説明

主要ミネラルの説明

こんにちは。

今日は主要ミネラルについてまとめていこうと思います。

カルシウムは生体で最も多いミネラルで、その99%が骨や歯の硬組織中にハイドロキシアパタイトとして存在しています。血中では8.8~10㎎/dLの濃度が厳密に保たれています。骨や歯の形成以外にも血液凝固、筋収縮、細胞内シグナル伝達に働いています。牛乳に含まれるカゼインホスホペプチドはカルシウム吸収を促進するが、フィチン酸(穀類)やシュウ酸(ほうれん草)はカルシウムと不溶性の塩を作り、吸収を阻害してしまうので、食べ物の合わせ方にも注意が必要です。カルシウムが不足すると、骨軟化症、くる病、骨粗鬆症になります。また、過剰摂取で、組織の石灰化、泌尿器系結石が起こります。

 

リンは成人の体重の1%を占め、カルシウムに次いで体内に多く存在しています。8割は骨や歯の形成にかかわっており、2割は有機リン酸化合物としてあらゆる細胞・組織に存在し、リン脂質、核酸、ATPなどの高エネルギーリン酸化合物に含まれています。欠乏症は通常食では見られませんが、長期間絶食をしている患者さんには注意が必要です。過剰摂取は腸管でのカルシウム吸収の阻害による低カルシウム血症につながり、骨形成不全や腎障害が起こります。

 

カリウムは97%が陽イオンとして細胞内液に存在し、浸透圧維持に働いています。カリウムは腎尿細管での再吸収の際にナトリウムと競合するため、カリウム摂取を増やすとナトリウム排泄が増加し、血圧が降下します。

 

塩素は血中や細胞間液に90%存在し、浸透圧調整や酸塩基平衡の維持に働いています。また、胃酸として、胃液を酸性に保ち、食物を殺菌・部分消化しています。塩素の欠乏はほとんどなく、むしろ、塩分(NaCl)の取りすぎによる高血圧が問題になっています。

 

ナトリウムは細胞外液で最も多いミネラルで、浸透圧維持、神経・心筋細胞の興奮伝達、エネルギーを利用した栄養成分の取り込み、体液pH調節に働きます。脱水、下痢、嘔吐による低ナトリウム血症になると、倦怠感や立ち眩みがおこる一方で、過剰摂取は高血圧につながります。

 

マグネシウムは、8割が骨や歯にあり、残りは筋肉、脳、神経に存在しています。血中マグネシウム濃度が低下すると、副甲状腺からパラトルモンが分泌されて、骨からマグネシウムを溶出して血中濃度を保ちます。慢性的な欠乏は虚血性心疾患の発症につながり、急性の過剰症も循環器に影響を及ぼしたり、下痢を起こします。マグネシウムはクロロフィルの成分で、植物性食品に多く、また、肉・海藻類にも含まれていて、不足することはほとんどありません。

 

以上が主要必須元素の概要になります。食事からミネラルのコントロールをして、健康な食生活を意識しましょう。