こんにちは。
今日は化学blogをやっていこうと思います。
今日は慢性甲状腺炎についてまとめていこうと思います。慢性甲状腺炎は、前の記事でまとめたバセドウ病と似ていますが、バセドウ病が甲状腺機能を亢進してしまうのに対して、慢性甲状腺炎は甲状腺機能を低下させる病気が主です。
・概念
甲状腺機能低下症で最も多いものは慢性甲状腺炎(橋本病)です。橋本病は、甲状腺を破壊する自己抗体(抗チログロブリン抗体)の産生によって甲状腺機能が低下するものです。
・症状
甲状腺機能が低下すると、基礎代謝か低下し、グリコサミノグリカンが全身に定着します。それが皮下に定着すると、粘液水腫を、声帯に沈着すると嗄声を起こします。また、甲状腺ホルモンは精神活動にも影響を与えるため、うつ症状が起きることもあります。バセドウ病が興奮させるイメージだとしたら、橋本病は冬眠しているような感じのイメージの症状が起きます。
・検査
甲状腺機能低下症では甲状腺ホルモン値が低下するため、基礎代謝が低下します。例えば、甲状腺ホルモンのT3、T4が低下します。反対に、体は低下した甲状腺をたくさん出そうとするため、甲状腺刺激ホルモン(TSH)をたくさん出すため、こちらは高値になります。また、基礎代謝が低下するため、LDLコレステロール値は上昇します。
・治療
治療はT4製剤であるレボチロキシンナトリウムの投与が第一選択薬です。体の中ではT4からT3に変換されることで効果を示します。このT4製剤は効果発現が速やかであり、安全性が高いとされています。また、徐々にT3製剤に変換されるため、作用時間が長く、力価も安定しています。ただし、粘液水腫性昏睡のような重篤な症状がある場合には作用発現が早いT3製剤を用いることがあります。
以上が慢性甲状腺炎のまとめです。