貼るだけで効くお薬?

貼るだけで効くお薬?

こんにちは。

今日は化学blogをやっていこうと思います。

先日、友達に、なんで背中にシール貼るだけで咳がおさまるの?と聞かれました。いや、あれはただのシールじゃないし!と思ったのですが、確かに、あの薬感の無いシールでなんで効果が出るのだろう?と思う人もいるのかもしれないなと思い、記事にしてみました。

 

まずは、使う人もよくいるであろう、テープのお薬として、ホクナリンテープがあると思います。これは喘息の人が使うお薬です。人の皮膚は皮膚に付けられた成分を吸収することができます。そのため、ホクナリンテープに含まれている有効成分が皮膚から吸収されて、皮膚の下にある血管に入り、血液の流れで気管支まで運ばれることで、気管支を広げる働きをします。

 

 

そして、ホクナリンテープより使う人が多いのではないかと思う、湿布です。湿布も皮膚から吸収される原理は他のテープのお薬と同じです。冷感湿布と温感湿布の2種類があります。

冷感湿布は、発熱した時に用いられ、サリチル酸やハッカ油などの作用により、皮膚の温度を3~4.5℃も低下させます。また、冷たくすることで、局所の血管を収縮させ、その結果、新陳代謝が低下し、炎症を鎮め痛みを軽くします。反対に、温感湿布は、トウガラシエキスなどが配合されています。それにより皮膚温が3℃上昇するといわれています。温めることによって血管が拡張して、炎症物質の吸収を促進し、消炎、鎮痛をはかります。

 

 

このようなテープのお薬は、全身作用もありますが、治したい組織に対する直接の効果があり、また、効果が長持ちします。そして、全身性の副作用が軽くなる可能性があります。さらに、何よりも、飲み込んだり、注射をするなどしなくていい、楽さがメリットだと思います。ただし、皮膚に貼っていると、その部分が赤くなったり、痒くなるなど、炎症を起こしてしまう可能性があるので、長い期間テープを使い続ける場合は、毎日貼る位置を少しずつずらしたり、患部を清潔にするなどを心がけてみてください。