新生児マススクリーニング(先天性代謝異常等検査)

新生児マススクリーニング(先天性代謝異常等検査)

こんにちは。

今日は化学blogをやっていこうと思います。

 

新生児マススクリーニングって聞いたことはありますか?きっとお子さんのいる方なら聞いたことがあるかもしれません。

これは、先天性代謝異常症の早期発見と対処のために行う試験です。先天性代謝異常症とは、遺伝子よ変異により特定の酵素が欠損することに伴い、代謝に異常をきたす疾患のことです。この検査は、疾病の予防における二次予防にあたるものなのです。

 

この検査はとにかく、早期発見・早期治療を目的としているため、 生後4〜7日のうちに、新生児の足の裏から血液を採取し、検査を実施します。これは、保護者の希望によって実施するものであって義務ではありません。ただ、現状でほぼ100%が受診しています。というのも、公費負担制度があり、検査費は無料です。ただし、採血費は自己負担となってしまいますが、先天性の異常が無料で早く見つけることのできる可能性があるならやりたいですよね。また、もし疾患が発見された場合の治療は公費負担制度の対象となり、成人になるまでは医療費補助があります。

この試験の対象となる疾患の特徴は、新生児の時期に発見することで有効に対処可能なものです。

1)一定の発見頻度がある。

2)発症前に発見できるもの。

3)非侵襲的な検査であること。

4)再現性のある検査法であること。

5)コストが安価な検査法であること。

6)有効な治療法があること。

これらの条件を満たすものがこの試験で適応されます。

この試験の対象疾患ですが、従来の検査項目だと、フェニルケトン尿症、ホモシスチン尿症、メープルシロップ尿症、ガラクトース尿症、クレチン症、先天性副腎過形成症の6項目がありました。また、2014年からは、タンデムマススペクトロメトリー(タンデムマス)法が導入され、検査項目は20項目にまで増やすことができました。

現在の医療では、生まれてすぐにこのような検査を行い、もし異常があってもすぐに治療を開始することのできる仕組みが整っているのです。