何か疲れて胃の調子が悪いな・・・

何か疲れて胃の調子が悪いな・・・

こんにちは。

今日は化学blogをやっていこうと思います。

 

今日紹介する漢方は人参剤です。

 

脾胃気虚は消化器系の機能低下によって起こる気の低下のことで、消化器系の機能を正常化し気を補うことを補気(補気健脾,補中益気)といいます。
人参はこの作用に最もすぐれた補気薬で、人参を含む処方は食欲低下、胃もたれ、軟便、下痢などの消化器系症状を伴う全身倦怠感、疲れやすさ、気力の低下などに用いられます。このような気の不足を補う働きのある処方を一般に補薬と呼び、虚証の治療に使用します。
人参を君薬、黄耆を臣薬とする参耆剤は重要な補薬の1つであり、人参が脾胃気虚を補うのに対し、黄耆は表位の気の不足を補う働きがあり、全身倦怠感や易疲労感が強い病態に適します。

つまり、簡単に説明すると、何か疲れて胃腸の調子が悪い時に使います。

 

人参剤の代表的なものは、人参湯、六君子湯、補中益気湯、十全大補湯、四君子湯、半夏白朮天麻湯、加味帰脾湯、人参栄養湯などがあります。

 

人参湯は、体力の弱った人で、疲れやすくて手足などが冷えやすい人の胃腸虚弱、下痢、嘔吐、胃痛、腹痛、胃炎などに使われます。胃腸機能が低下し、冷えの強い人の消化器疾患に使われます。甘草が含まれているため、偽アルドステロン症、ミオパチーなどの副作用に注意する必要があります。

 

四君子湯は、痩せて顔色が悪く、食欲がない人につかいます。人参湯ほどは強くないですが、茯苓と白朮の組み合わせにより、利水作用が強くなっているため、胃の働きが悪くなっている時に用います。

 

六君子湯は、四君子湯に比べ、嘔吐を鎮め、胸のつかえ感をとる、半夏や、胃腸を整える陳皮を配合しています。そのため、四君子湯よりもみぞおちのつかえ感などの胃症状が強く、さらに悪心嘔吐がある場合に使います。また、食欲増進ホルモンであるグレリンを介して食欲を高めることが確認されています。抗がん剤による食欲不振や、機能性ディスペプシアに対しても使われています。

 

半夏白朮天麻湯は六君子湯の胃腸機能の改善と心下の水滞を取る作用、体を温める作用を強化し、水滞によって起こるめまい頭痛に有効とされています。

 

 

なんとなく、人参剤の漢方処方の名前を見ていると、「補う」という漢字が使われていたりと、身体の不調を補ってくれそうな感覚がしますよね。