冷えに使うのは・・・?

冷えに使うのは・・・?

こんにちは。

今日は化学blogをやっていこうと思います。

 

今日紹介する漢方は附子剤です。

 

 

附子は新陳代謝機能を亢進・復興させる生薬であり、体力が衰えて全身的に冷えの強い症状に使用される漢方処方に限られて配合されています。

つまり、身体が冷えることにより、下痢やむくみ、動悸などの症状が出た場合に身体を暖めるために代謝機能を亢進させます。

 

附子は、前での記事で紹介したように副作用があります。実証の人に使用すると、心悸亢進、のぼせ、舌のしびれ、悪心などの副作用が発症することがあります。また、小児や妊婦に対しては慎重に投与する必要があります。附子はアコニチンをはじめとする毒性の強いアルカロイドを含有していて、附子を誤って使用すると最悪の場合死の転帰に至るなど、有効性と毒性が裏腹の関係にあります。しかし近年では修治された加工ブシ末が使用されているため、その危険性はほとんどなくなっています。

 

日本薬局方では附子の修治法として、基原植物であるハナトリカブトもしくはオクトリカブトの塊根を
①高圧蒸気処理により加工
②食塩,岩塩または塩化カルシウムの水溶液に浸せき後,加熱または高圧蒸気処理
③食塩の水溶液に浸せき後、水酸化カルシウム(石灰)を塗布
の3つを規定しています。

これらの処理により、アコニチンをはじめとするジエステル型のアルカロイドは加水分解され、薬理活性を保ちつつ毒性の低いモノエステル型のアルカロイド(ベンゾイルアコニンなど)に変換されます。日本薬局方では、総アルカロイド量をベンゾイルアコニンに換算して規程しています。この規定で附子の副作用は守られているため、近年では副作用の危険性はほとんどないのです。

 

附子剤の代表的なものは、真武湯、八味地黄丸、牛車腎気丸、桂枝加朮附湯、麻黄附子細辛湯などがあります。

 

真武湯は、体力が少なく、冷えがあり、下痢、腹痛、めまいがあるものの、下痢や胃腸炎、めまい、動悸、風邪、むくみなどのように、新陳代謝が衰え、水滞があって胃腸が冷え、身体が痛む人に使います。

 

このように、附子の代謝亢進機能によって冷えを改善することができます。