この漢方も胃に効く?
- 2021.02.07
- 化学
こんにちは。
今日は化学blogをやっていこうと思います。
今日紹介する漢方は瀉心湯・黄連剤です。
瀉心とは本来「心気のうっ結を瀉する」という意味でありますが、「心窩部の膨満したような感覚を除去する」という意味ととらえ、瀉心湯類は胃腸疾患に用いられることが多いです。瀉心湯類中の黄連(君薬)と黄䊫(臣薬)の組み合わせは非常に重要で、黄連と黄䊫が協力すると心下痞(心窩部(みぞおち)が膨満し、つかえたような感じがすること、さらにつかえ感が強く、他覚的な抵抗や圧痛がある場合を心下痞鞭という)を取り除き,鎮静的に働きます。
つまり、簡単に説明すると、みぞおちがつかえた感じがあり、悪心・嘔吐、食欲不振で腹が鳴って軟便または下痢の症状がある人に使います。この漢方も柴胡剤のような働きがあり、柴胡は配合されていませんが、使われている生薬はかぶっているものが多いです。
この漢方の代表的なものは、半夏瀉心湯、黄連解毒湯があります。
半夏瀉心湯は、体力中程度で、みぞおちがつかえた感じがあり、時に悪心・嘔吐があ り食欲不振で腹が鳴 って軟便または下痢の傾向のある人の、胃腸炎、下痢・軟便、消化不良、胃下垂、神経性胃炎、胃弱、二日酔い、げっぷ、胸やけ、口内炎、神経症に使います。黄芩と黄連が協力することで、みぞおちのつかえ感や痛みを取ります。また、抗がん剤投与による口内炎や、イリノテカン投与による遅延性下痢に対して使われています。
黄連解毒湯は、体力中等度以上で、のぼせぎみで顔色赤く、いらいらして落ち着かない傾向のある人の、鼻出血、不眠症、神経症、胃炎、二日酔い、血の道症(月経 、妊娠、出産、産後、更年期などホルモンの変動に伴って女性に現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状)、めまい、動悸、更年期障害、湿疹、皮膚炎、皮膚のかゆみ 、口内炎など広く使われます。この漢方は、腸間膜静脈硬化症の副作用が起こることがあります。
このように、柴胡の使われていない、胃腸の不調を改善する漢方もあります。