風邪の初期の漢方薬
- 2021.02.06
- 化学
こんにちは。
今日は化学blogをやっていこうと思います。
今日紹介するものは、桂枝湯類です。例えば、桂枝湯、小建中湯、桂枝加朮附湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯などがあります。
これらの漢方薬は、辛温解表の薬能を有する桂皮が構成生薬の中心である漢方薬群で、表位の寒による頭痛・悪風・発熱、表位の虚による自汗、気の上衡による頭痛・のぼせ・動悸、また、胃の虚による腹満・腹痛を伴うものに用いられます。太陽病の虚証の他、太陰病の虚証に用いる処方にも桂枝湯が基本となっているものがあります。
ここだけ聞くと、一体何に使われるのかわけわかりませんよね。
簡単に説明すると、主にかぜの初期に用いられる漢方薬です。
しかし、風邪の初期といえば葛根湯ですよね。桂枝湯類は葛根湯と違い、体力がなかったり、胃腸が弱かったり、あるいは日頃から疲れやすく風邪をひきやすいなど、病気を体の外へ追い出す力が弱い人や高齢者に向く薬です。
頭痛、寒気、発熱(主に微熱)、のぼせ、軽いうなじのこわばりや体の痛みなどの症状があり、皮膚が自然に汗ばむときに用いられます。
桂枝湯は、桂皮、芍薬、大棗、生姜、甘草が構成生薬となっています。
また、小建中湯は、桂枝湯に膠飴を足したものです。小児の夜尿症や夜泣き、慢性胃腸炎、腹痛にも使われます。
桂枝湯類には、甘草が含まれているので、前の記事で説明したように、偽アルドステロン症などの副作用に注意する必要があります。
また、桂枝加朮附湯は、関節痛、神経痛にも使われます。これは、桂枝湯に蒼朮と加工附子を配合しています。そのため、体力のある患者さんには用いません。そして、妊娠もしくは妊娠している可能性のある人には投与してはいけませんし、小児には慎重に使う必要があります。
最後に、当帰四逆加呉茱萸生姜湯は、冷え症、しもやけ、月経痛にも使われます。これは、血の巡りを改善して、身体を温める当帰という生薬が含まれています。そのため、胃腸の弱い患者さんや、食欲不振、嘔吐がある場合には慎重に投与する必要があります。
このように、ベースは風邪の初期に使う、桂枝湯ですが、他の生薬を組み合わせることによって、違う適応もあるのです。
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