漢方医療の診断のものさし

漢方医療の診断のものさし

こんにちは。

前回の記事の続きで、今回は診断のものさしである、陰陽、虚実、表裏、寒熱について説明していきます。

 

 

まず、陰陽です。

陰は、漢字の通り、体の反応が非活動性、寒性のことを言います。例えば、寒がりで厚着を好む、顔面が蒼白、低体温、脈が遅い、下痢、尿が頻回で多量に出る、これらの症状が当てはまります。

陽は、陰と反対で、体の反応が活動性、熱性のことを言います。例えば、暑がりで薄着を好む、顔面が紅潮、眼球の充血、高体温、脈が早い、便臭が強い、などの症状が当てはまります。

 

簡単に言えば、陽は興奮している状態、陰は冬眠しているような状態のイメージです。

 

 

次に虚実です。

実とは、充実、充満の意味で、体が抵抗力に富んでいて、病気に対して十分に戦う力に満ちている状態のことを言います。脈が強くなり、患部の強い痛みや発赤腫痛、筋の過緊張があります。

反対に虚とは、病気に対する抵抗力に乏しく、正気が失われている状態を言います。この状態では、脈が弱くなり、痛みの少ない患部の腫脹、筋の低緊張が見られます。

 

簡単に言えば、実は体力のある状態、虚はない状態のイメージです。

 

 

次に、表裏です。

これは、病気に対して反応している部位を表します。表は、体表面、骨格筋、関節のこと、裏は、体の内部の横隔膜より下の臓器、特に胃腸のことを言います。そして、気管、肺、食道、肝臓などを半表半裏といいます。

 

簡単に言えば、表裏は体のどこが悪いのかを表しています。

 

 

最後に、寒熱です。これはもう皆さんがイメージしている通りで、陰陽とほぼ同じです。

 

 

 

漢方医療の用語は難しいイメージがありましたが、これを見れば、漢字の印象がそのまま病状になっています。なんとなく、漢方用語に対して抵抗感がなくなってきませんか?