西洋医学と漢方医学の比較
- 2021.01.23
- 化学
こんにちは。
前回の記事で、世界には様々な伝統医学があると書きましたが、日本で広く伝わっている伝統医学には、漢方医学があります。では、漢方医学と西洋医学にはどのような違いがあるのでしょうか。
まず、西洋医学の特徴を表すキーワードとして、理論的、機械的(局所的)、普遍的、客観的、合成品、単一製品があります。
西洋医学は、様々な実験に基づき、根拠を持って、「この成分は、このような効果があるから、この病気に効く」といった、理論的に使用されています。また、全身作用を狙ったものもありますが、基本的に、疾患部位を絞って、肝臓が悪ければ、肝臓に効くもの、心臓なら心臓というように局所的に治します。そして、最近ではオーダーメイド医療というものが普及していますが、基本的には、個人より、病気ごとに治療を使い分けます。また、検査値などの客観的な数値やデータをもとにして、効いているか、治ったかを判断します。そして、薬は人の手で合成して作ったもので、1つの薬に1つの成分と、安定した製品の供給ができます。
それに対して、漢方医学の特徴を表すキーワードとして、経験的、人間的(全身的)、個人的、天然品、複合成分があります。
漢方医学は、実験データよりも、今までの治療経験に基づいて治療を行います。そのため、理由はわからないが、「この漢方がこの病気によくきくなー」と言った感じで使われます。したがって、漢方医学の先生には、多くの経験値が必要とされます。また、全身的な治療を行い、その人の体格(筋肉の付き方)、性別、年齢、体力がどれくらいあるか、などによって処方を変えます。まさに現代のオーダーメイド医療を昔から行っていたことになります。そして、患者さんの訴え、感じ方に重きをおいて治療を行います。薬に関しては、植物、動物、鉱物などの天然成分をもとに作られ、1つの薬に色々な成分が含まれています。また、漢方薬に使われる植物の育った場所などが違うだけで、成分量などがかなり異なってきます。
このようにして、それぞれの医療にはそれぞれの利点があり、その人の生活スタイルや病状に合わせて選択することができます。
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