世界の様々な伝統医学
- 2021.01.23
- 化学
こんにちは。
私の所属する研究室の教授が、漢方に詳しい方なので、最近、漢方学に関する勉強をすることが増えました。
皆さんが日常的に接している医学の多くは、西洋医学ですが、医学は長い歴史の中で、色々な形のものが生まれました。今日は、いろいろな種類の医学について勉強していきたいと思います。
私達が日常的に1番多く接している、西洋医学以外の多くの医学を、伝承医学と呼びます。例えば、漢方医療、中医学医療、アーユルヴェーダ医療、チベット医療などがあります。漢方医学は日本でも使われている医学なので、次の記事で詳しく書きたいと思います。今日は、中医学医療、アーユルヴェーダ医療、チベット医療について説明していきます。
まず、中医学医療の発祥はおよそ4000年も以前にさかのぼると言われています。広大な中国大陸で、異なる風土・環境の中、長期にわたる疾病との闘いの経験に基づく中国の伝統医学です。「黄帝内経」と「傷寒雑病論」という、2つの書が中医学の理論の原点となっていると言われています。中医学には、3つの特徴があります。
1つ目は、整体観(バランス医学)です。人体は、自然界から様々な影響を受けています。また一方で、人体それ自身も自然とバランスを取りながら、内部でさまざまな部位が影響し合っています。それが、一種の「バランス医学」と言えます。
2つ目は、弁証論治(オーダーメイド医学)です。この特徴は、患者さん一人ひとりの体質や、病気の原因、発病のプロセス(病因病機)を分析して証を決定し、それにあった適切な治療法を選んで治療を行っていくというものです。まさに「オーダーメイド医学」です。
3つ目は、未病先防(予防医学)です。これは、病気が発症する前に体質を見ながら対応していく、 未然に防ぐという考え方です。病気にかかりにくい体質を作る「予防医学」という中医学独特の考え方です。
次に、アーユルヴェーダ医療とは、「生命の科学」「生命の知識」といわれるインド・スリランカの伝統医学であり、予防医学・治病医学にとどまらず、高度な生命哲学としても注目されています。日本でも前に流行ったそうで、日本で施術を受けることも可能だそうです。また、スリランカの方に旅行に行った際に受ける人もいるそうです。アーユルヴェーダの発祥の地とされるインドにおいては、5000年以上も昔から人間の身体について研究が行われ、健康に良い食材の性質を熟知し時間や環境・季節などを考慮した食事療法を編み出し、具体的な養生法や治療法、また膨大な量の薬草学について説かれています。またインドでは、日常生活の一部として取り入れることを薦めているそうです。
最後に、チベット医療は、主にチベットで伝えられる伝統医学です。土台となるのはインドのアーユルヴェーダだそうです。中国の現代中医学と比べると、内容も古い時代のまま存在しているそうです。チベット医療の特徴の1つとして、尿の匂いや色、味までを用いて診断する、「尿診」があります。 また、治療法の主となるのは薬物療法ですが、中国と異なり、チベットでは高山植物が用いられ、自生する植物に乏しいため、鉱物もよく薬として用いられているみたいです。今日紹介したものの中では、日本で1番馴染みのない伝統医学ではないでしょうか。
このようにして、世界に目を向けてみると、医学はいろいろな形で発展していることがわかります。
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