鎮咳薬

鎮咳薬

こんにちは。

 

今日の化学blogは鎮咳薬です。咳には2種類あり、痰のない乾性咳と痰のある湿性咳です。鎮咳薬を使うのは乾性咳の方です。反対に湿性咳に鎮咳薬を使ってしまうと痰の喀出を妨げてしまい、窒息の恐れがあります。そして、鎮咳薬には麻薬性中枢性鎮咳薬と、非麻薬性中枢性鎮咳薬があり、後者の方は依存性がありません。

 

主な鎮咳薬は、

・麻薬性

モルヒネ、ジヒドロコデイン、コデイン

・非麻薬性

ノスカピン、デキストロメトルファン、チペピジン、グアイフェネシン、ペントキシベリン

です。

全て、延髄の咳中枢を抑制することで咳を止めます。

覚えるときは、

門司港でスカッとチビでも暗記」と覚えます。

も;モルヒネ

じ;ジヒドロコデイン

こ;コデイン

で;デキストロメトルファン

スカッと;ノスカピン

チビ;チペピジン

 

先程麻薬性の鎮咳薬は依存性があると言いましたが、鎮咳作用、依存性ともに強さは、

モルヒネ>ジヒドロコデイン>コデイン

となっています。

副作用は、呼吸抑制、便秘、悪心、嘔吐があり、コデインは中枢の動眼神経核を刺激することにより、縮瞳を起こす可能性があります。また、麻薬性中枢性鎮咳薬は、エタノール中枢抑制作用を強めてしまうことになります。お酒に酔っ払いやすくなってしまうということになります。

 

ちなみにコデインリン酸塩は、服用後肝臓でCYP2D6により代謝され、そのうち10%がモルヒネとなることで鎮咳作用を示しますが、CYP2D6の活性が過剰な人がいるため、モルヒネの血中濃度が正常よりも高くなることがあり、その結果過度の呼吸抑制が起きてしまうので、注意が必要です。

 

以上が鎮咳薬です。