鎮咳薬
- 2020.07.25
- 化学
こんにちは。
今日の化学blogは鎮咳薬です。咳には2種類あり、痰のない乾性咳と痰のある湿性咳です。鎮咳薬を使うのは乾性咳の方です。反対に湿性咳に鎮咳薬を使ってしまうと痰の喀出を妨げてしまい、窒息の恐れがあります。そして、鎮咳薬には麻薬性中枢性鎮咳薬と、非麻薬性中枢性鎮咳薬があり、後者の方は依存性がありません。
主な鎮咳薬は、
・麻薬性
モルヒネ、ジヒドロコデイン、コデイン
・非麻薬性
ノスカピン、デキストロメトルファン、チペピジン、グアイフェネシン、ペントキシベリン
です。
全て、延髄の咳中枢を抑制することで咳を止めます。
覚えるときは、
「門司港でスカッとチビでも暗記」と覚えます。
も;モルヒネ
じ;ジヒドロコデイン
こ;コデイン
で;デキストロメトルファン
スカッと;ノスカピン
チビ;チペピジン
先程麻薬性の鎮咳薬は依存性があると言いましたが、鎮咳作用、依存性ともに強さは、
モルヒネ>ジヒドロコデイン>コデイン
となっています。
副作用は、呼吸抑制、便秘、悪心、嘔吐があり、コデインは中枢の動眼神経核を刺激することにより、縮瞳を起こす可能性があります。また、麻薬性中枢性鎮咳薬は、エタノール中枢抑制作用を強めてしまうことになります。お酒に酔っ払いやすくなってしまうということになります。
ちなみにコデインリン酸塩は、服用後肝臓でCYP2D6により代謝され、そのうち10%がモルヒネとなることで鎮咳作用を示しますが、CYP2D6の活性が過剰な人がいるため、モルヒネの血中濃度が正常よりも高くなることがあり、その結果過度の呼吸抑制が起きてしまうので、注意が必要です。
以上が鎮咳薬です。