片頭痛の特徴と起きるメカニズム
- 2020.07.22
- 化学
こんにちは。
まだまだ梅雨が続いていて気圧も不安定なので頭痛に悩まされている方も多いのではないでしょうか。私は片頭痛もなければ、基本的に頭が痛くなることはないのですが、最近の低気圧により、珍しく痛くなっています。ごくたまに痛くなるだけでも辛いのに定期的に頭痛に悩まされている片頭痛持ちの人は大変なんだろうなと思いました。かなり前に授業で片頭痛の治療について習ったのですが、あまり覚えていないのでまた勉強してみようと思いました。
まず、片頭痛の特徴をあげてみます。
・ズキンズキンと脈打つような強い痛み
・頭の片側が痛む
・動くと痛みが悪化することが多いです。ときどき寝込むほど痛むこともあります。
・普段は気にならない程度の光をまぶしく感じたり、音やにおいが気になることがあります。吐き気や嘔吐を伴う可能性もあります。
・頭痛が起こる前に、キラキラした光が見えたり、視野の一部が見えにくくなったりする視覚性前兆が認められるといわれており、その代表が閃輝暗点です。
次に、なぜ片頭痛は起きるのでしょうか。これはまだ解明中で、色々な説があります。大きく分けて3つあります。
1つ目は、血管説です。片頭痛の時、血管が収縮し、その後血管が拡張する際、頭痛が生じるというものです。ストレスによりカテコラミンや遊離脂肪酸が増加し、血小板からセロトニンが放出され、セロトニンによって脳血管が収縮をもたらします。さらに、セロトニンが他の血小板からのセロトニンの放出を促し、血管収縮は促進され、脳血流は減少し閃輝暗点、視野障害などの前兆をきたし、セロトニンが代謝されると、血管の異常な拡張が起こり、血管透過性が亢進し、プロスタグランジンやブラジキニンが放出され、血管炎をきたし痛みが持続するというものです。
2つ目は、神経説です。脳の神経細胞の活動異常が原因であるという考え方です。
3つ目は、三叉神経血管説です。頭蓋内血管周囲に三叉神経終末線維が分布しており、ストレスなどにて三叉神経が刺激されると、三叉神経終末線維から神経伝達物質でありかつ血管作動性物質であるサブスタンスP、CGRPなどを放出し、その結果血管が、肥満細胞の脱顆粒や血管透過性の亢進、血漿蛋白の流出、血管拡張などの神経原性炎症が惹起され頭痛が生じるというものです。この際、三叉神経終末での刺激が順行性に脳幹の神経脊髄路核に至る過程で悪心、嘔吐、自律神経の活性化を生じます。さらに、逆行性伝導が神経終末に及びサブスタンスPやCGRPなどをさらに放出し血管拡張や炎症を助長するという負のサイクルが生じます。
次の記事ではこの片頭痛の治療薬について話していこうと思います。