感染症⑦

感染症⑦

こんにちは。

 

今回の記事も院内感染の予防策についてです。前回の記事では、委員会やチームによって、患者それぞれの状態を確認して、共有することによって感染を広げない仕組みを説明しました。感染の予防策には、全ての患者のケアに適用される、標準予防策と、感染経路遮断のための予防策である、感染経路別予防策があります。

今回の記事ではこの2つについてそれぞれ説明していこうと思います。

標準予防策は、感染症の有無にかかわらず、全ての患者のケアに適用され、患者の湿性生体物質を感染源とみなした対応をします。湿性生体物質とは、血液や汗以外の体液のこと(唾液、鼻汁、痰、腹水、胸水、涙、母乳など)です。また、排泄物や傷のある皮膚、粘膜のことも含みます。

大きく分けると3種類あります。

1つ目は、手指衛生(手洗い)です。手袋の有無にかかわらず、湿性生体物質に触れた後は手洗いをします。また、各病室、清潔区域に流水式手洗いを設置したり、消毒用アルコール製剤も設置します。

2つ目は、個人用御具の使用です。手袋、ガウン、マスクを着用し、皮膚、衣類、粘膜を保護します。

3つ目は、環境対策です。頻回に使用する機材(体温計など)の適正な清潔操作、針刺し事故防止策、個室収容、消毒薬・抗菌薬の適正使用などがあげられます。

他にも、医療従事者のワクチン接種などもあります。

 

 

今回の記事では全ての患者に適用する標準予防策について説明しました。次の記事では、もう1つの、感染経路別予防策について説明していこうと思います。