感染症④
- 2020.06.12
- 化学
こんにちは。
今までの記事で、感染症が成立するための3代要素として感染源と感染経路について詳しく説明してきました。今回の記事では最後の1つである、宿舎の感受性について話していこうと思います。
宿主の感受性に影響する要素として、免疫、遺伝子、年齢、性、栄養などがあげられます。この中でも特に決定的な要因は免疫です。人間には先天的抵抗力、いわゆる自然免疫応答と、後天的抵抗力、いわゆる獲得免疫の2つの免疫機能があります。前者は好中球、マクロファージ、補体などによる非特異的な免疫応答のことです。後者は、T細胞、B細胞による病原体に特異的な免疫応答のことです。
健康な状態では発症しない弱毒性病原体により易感染宿主に発症する感染症を日和見感染と言います。易感染宿主とは、抵抗力が著しく低下した宿主のことです。白血病や、AIDS、がん、糖尿病などを患っている基礎疾患の患者や治療中の患者、または、新生児や乳児、高齢者などがこれに当てはまります。
日和見感染を引き起こす病原体には、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌やバンコマイシン耐性腸球菌、レジオネラ菌、緑膿菌などがありますが、薬剤耐性を持ったものが多く、有効な薬剤が限られます。また、易感染宿主の多い病院内で感染拡大しやすく、院内感染が問題になります。
病院は易感染宿主が多いため、日和見感染しやすいです。そのため、日常的には感染しにくいものでも、弱った人の多い病院だとかかりやすく、それがどんどん拡大してしまうため、院内感染につながってしまうのです。
次の記事ではら院内感染について、そして、院内感染しやすい病原体について話していこうと思います。