脂質異常症②

脂質異常症②

こんにちは。

前回の記事で、脂質異常症はどのような原因でなり、どのような数値になると脂質異常症と診断されるのかについて話していきました。この記事では治療法について話していこうと思います。

基本的に薬物治療の前に、生活習慣病の改善を基本とします。脂質異常症をきたしうる原疾患があればその治療も行いますし、ここの患者のリスクを評価して治療方針を決定します。生活習慣病の改善例として、

・禁煙し、受動喫煙を回避する。
・過食を抑え、標準体型を維持する。
・肉の脂身、乳製品、卵黄の摂取を抑え、魚類、大豆製品の摂取を増やす。
・野菜、果物、未精製穀類、海藻こ摂取を増やす。
・食塩を多く含む食品の摂取を控える。
・アルコールの過剰摂取を控える。
・有酸素運動を毎日30分以上行う。

などがあります。

 

食事療法は、伝統的な日本食を基本とします。

高LDL血症を改善する食事は、コレステロールと飽和脂肪酸を多く含む肉の脂身、内臓、皮、乳製品、卵黄およびトランス脂肪酸を含む菓子類、加工食品の摂取を控えます。そして、食物繊維と、植物ステロールを含む未精製穀類、大豆製品、海藻、野菜類の摂取を増やします。

高TG血症を改善する食事は、糖質を多く含む菓子類、飲料、穀類の摂取を減らします。また、アルコールの摂取を控えます。そして、n-3系多価不飽和脂肪酸を多く含む魚類の摂取を増やします。

低HDL血症を改善する食事は、トランス脂肪酸の摂取を控えます。n-6系多価不飽和脂肪酸の摂取を減らすために植物油の過剰摂取を控えます。

 

 

このようにして、伝統的な和食、魚とお野菜といった食事が体にはやはりいいとされているのです。しかし、日本食には醤油や塩など、塩分が高いものが味付けとして多く使用されているので、出汁をしっかり取るなどして、塩分の少ない食事を心がけることが大切です。脂質異常症の人でなくても、健康的な食事は10年後のQOLを高めることにもつながると思って、大切にしていくべきものです。たまには贅沢に好きなものを食べる日も作った方がいいですが、食事を整えるだけで将来の病気のリスクファクターを減らせると思ったら楽に感じてしまいます。