肝炎について②

肝炎について②

こんにちは。

 

今日の化学blogでは、1つ前の記事の肝炎の続きをしていこうと思います。

今日はB型肝炎です。B型肝炎には大きく分けて、胎内、出産時、3歳未満の感染と、思春期以降の感染の2に分けられます。まず、前者の方ですが、赤ちゃんは免疫系が不十分なため、感染しても症状は出ませんが、持続感染となります。その後、免疫系ができてきてから強い肝炎を起こしますが、多くは無症候性キャリアとなり、まれに慢性化します。経路は、HBV陽性の母親からの親子感染(垂直感染)です。後者は、急性感染として発症します。まれに劇症化します。

感染経路は、HBe抗原陽性患者からの体液侵入や、医療過失、性行為などです。B型肝炎(一過性感染)の症状は、A型肝炎と異なり、発熱はあまりありません。治療法はA型肝炎と同じです。

持続感染の場合は、治療目的が変わってきます。HBV持続感染患者からHBVを完全に排除するのは不可能なので、ALT/ASTを正常に維持することを目標にしています。

 

 

基本6か月は自然経過をしますが、6か月たってもセロコンバージョンがおきず、ALTが高い場合には抗ウイルス剤を使用します。主に使う薬剤は、逆転写酵素阻害剤とインターフェロンです。逆転写酵素阻害剤はエンテカビル、テノホビルなどがあります。HBVウイルスのDNA構造はヒトが複製できないようになっているため、転写されたRNAから翻訳してタンパクを作って、そこから逆転写をしてDNAを作っています。そのため、逆転写酵素を阻害すればウイルスは複製できないようになっています。投与経路は経口で、副作用として、腎障害の可能性があります。インターフェロン製剤は、抗ウイルスタンパクの誘導と、免疫不活作用をします。投与経路は、皮下注射で、副作用は高頻度かつ多彩です。

 

また、ウイルス性ではないB型肝炎もあります。HBV DNA量、ALT値が正常であっても、リツキシマブ、インフリキシマブ、ステロイドなどを関節リウマチや潰瘍性大腸炎などの炎症性疾患にかかるのを抑えるために用いていると、HBV DNA量が上昇して肝障害を起こす可能性があります。

 

 

ここまでがB型肝炎の説明です。次の記事ではC型肝炎について話していこうと思います。