コレステロールの働き
- 2020.05.11
- 化学
こんにちは。
今日はコレステロールについてお話ししていきます。悪玉コレステロールとか、善玉コレステロールって聞いたことはありませんか?コレステロールってメタボリックになるイメージで良い印象はあまりありませんよね。それなのに善玉がつくのはなんなのだろうと思ったことはありませんか?実はコレステロールは身体に悪いだけではないのです。
そもそもコレステロールは体内でどんな働きをしているのでしょうか。
コレステロールは、細胞膜を作ったり、ホルモンや、脂質の消化に必要な胆汁酸の原料にもなったり、体になくてはならない脂質の一種です。人間は、1日に約1000〜1500mgのコレステロールが必要です。その3分の2は体内で生成し、残りの3分の1を食物から摂取しています。食事から摂取したコレステロールは、小腸でタンパク質やリン脂質に取り込まれて、血流に乗って全身を回ります。コレステロールは、体に脂肪を増やし、生活習慣病の原因にもなるなど、悪いイメージが多いですが、決して悪い物質ではありません。体全体に存在し、特に、脳内の神経伝達の成長にはコレステロールは欠かせない成分です。実際、脳の重量の約20%はコレステロールでできています。脳をはじめ体の働きを正常に保つには、質のよい脂肪を十分に摂ることが必要です。脂質がタンパク質と結びついて血液に溶け込んでいる状態をリポタンパク質といいます。脂質は水に溶けない性質を持つため、タンパク質と合わさってリポタンパク質として血液に溶け、コレステロールを体中に運びます。
コレステロールといえば、定期検診の結果通知書で、血液検査に「LDLコレステロール(悪玉)」と「HDLコレステロール(善玉)」という項目を見かけるでしょう。コレステロールの善玉と悪玉の違いは、リポタンパク質の役割の違いです。
悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールは、内部にコレステロールが豊富にあるリポタンパク質です。そのため、血流に乗って体の様々な臓器に必要なコレステロールを供給します。健康を維持するためには、大事な役割です。しかし、LDLコレステロールが増え過ぎて余ってしまうと、コレステロールが血管内壁にへばりつき、組織などに溜まって、動脈硬化を進行させる恐れがあります。動脈硬化は、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、大動脈瘤などのリスクが高まるため、LDLコレステロールは「悪玉」と言われています。
一方、善玉コレステロールと呼ばれるHDLコレステロールは、内部にコレステロールが少ないリポタンパク質で、それぞれの組織で余ったコレステロールを取り込み、肝臓に運び出す役割をしています。体に悪影響を与えるかもしれない余分な量のコレステロールを運び出すことから、HDLコレステロールは「善玉」と名前が付けられています。
このように、コレステロールは確かに取り過ぎてしまうと生活習慣病の原因になってしまいますが、体には不可欠な存在です。運動もしっかり行いつつ、大豆などの体に良い成分から善玉コレステロールを増やし、健康を維持していきましょう。
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