漢方飲み比べ食レポ大会🍃

漢方飲み比べ食レポ大会🍃

こんにちは。

去年、天然物の実験の途中に漢方の代表的な風邪薬である葛根湯、小柴胡湯、小青龍湯、麦門冬湯、香蘇散、および、代表的な胃腸薬である、桂枝人参湯、安中散、六君子湯、半夏瀉心湯を煎じて煎液を飲み比べして、友達みんなで食レポ大会をしました。その時に私がおいしかったものと、2度と飲みたくないものを紹介していきたいと思います。

 

 

私が1番美味しいなと思ったのは、香蘇散です。

構成生薬は香附子(コウブシ)、蘇葉(ソヨウ)、陳皮(チンピ)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)です。胃腸が弱い人に向く薬で、風邪のひき始めによく用いられます。症状としては、軽い悪寒や頭痛、鼻づまり、食欲不振などです。麻黄を含まないため、葛根湯などで食欲不振を起こすような人に勧められます。ルイボスティーに似た味と匂いを感じました。また、優しい甘みがあって、ルイボスティーだよ~と出されても気付かないレベルの美味しさでした。

 

 

ただ、香蘇散は一緒に飲んでいた友達にはあまり人気はなく、全体で人気が高かったのは安中散桂枝人参湯でした。

安中散の構成生薬は、桂皮(ケイヒ)、延胡索(エンゴサク)、牡蛎(ボレイ)、茴香(ウイキョウ)、甘草(カンゾウ)、縮砂(シュクシャ)、良姜(リョウキョウ)です。安中散は、やせ型で比較的体力が低下した腹部の筋力がないような人の、胃痛をはじめ、胸やけ、吐き気、食欲不振などに用いられます。特に胃酸の分泌が多い人の胃の痛みなどによく使われます。処方箋なしで買える市販の漢方胃腸薬は、多くが安中散を基本につくられています。桂枝人参湯の構成生薬は、桂皮(ケイヒ)、甘草(カンゾウ)、蒼朮(ソウジュツ)、人参(ニンジン)、乾姜(カンキョウ)です。桂枝人参湯は、お腹が冷えると下痢しやすいような人に効果的で、お腹を温めて、胃腸の働きを整えます。虚弱体質の人の消化器症状をともなうかぜ、下痢などにも用いられます。どちらもシナモンの香りが強く、かなり甘みを感じました。シナモンのお菓子を食べているような感じです。

 

 

反対に、これは飲めたもんじゃない!といった感じだったのは、小青龍湯と、麦門冬湯でした。

小青龍湯はの構成生薬は、半夏(ハンゲ)、 甘草(カンゾウ)、 桂皮(ケイヒ)、 五味子(ゴミシ)、 細辛(サイシン)、 シャク薬(シャクヤク)、 麻黄(マオウ)、 乾姜(カンキョウ)です。かぜやアレルギー性鼻炎などでよく処方されています。眠気の副作用がなく、花粉症、鼻水、結膜炎の治療にも使われています。そのほか、鼻炎、気管支炎、気管支ぜんそくなどにも用いられます。これは飲んだものの中で唯一酸味のあるもので、足の裏のにおいのような感じでした。もしかしたら、ローズヒップティーが好きな方なら嫌いではないかもしれません。麦門冬湯の構成生薬は、麦門冬(バクモンドウ)、半夏(ハンゲ)、粳米(コウベイ)、大棗(タイソウ)、人参(ニンジン)、甘草(カンゾウ)です。これは、口やのどが乾燥してイガイガし、痰があまり出ない乾いた咳がコンコンと続くようなとき、あるいは切れにくい痰をともなう咳、空咳などに使われます。名前の通り穀物の煮汁のような味がしました。甘みはあったのですが、お米のとぎ汁を飲んでいる気分でした。

 

普段処方された漢方を飲むときは粉の状態であることが多いので、このように味わうことはないと思うので貴重な経験でした。なかなかマニアックな食レポ大会は面白かったです。