細菌とウイルスは何が違うの?

細菌とウイルスは何が違うの?

インフルエンザや、マイコプラズマ肺炎、ノロウイルスなど私達は様々な感染症のリスクと隣り合わせで生活しています。この感染症を引き起こしているのが細菌やウイルスです。では、細菌とウイルスは何が違うのでしょう。

決定的な違いは生き物と言えるかどうか、です。

細菌とは?

細菌は、①細胞を持ち、②栄養を取ることでエネルギーを生産し、③細胞分裂により生存・増殖をおこなっています。この3点から、生物である、と言い切れるのです。細胞を持つ生き物という点では私達人間と似ていますが、細菌の細胞は人間とは大きく異なります。大雑把に言えば、人間も細菌も遺伝情報をDNAに記録しているが、人間のDNAは箱に入れられ、きちんと棚に置かれているのに対して、細菌のDNAはむき出しの状態で部屋に投げ捨てられています。

細菌が原因の代表的な感染症には結核、マイコプラズマ肺炎、O157などの腸管出血性大腸菌感染症などがあります。

ウイルスとは?

ウイルスは、①細胞がなく、②栄養を取ったり、エネルギーを生産しなく、③ウイルス単体では自力で増殖出来なく、④自力で動くことも出来ないものです。このため、生物であると言い切れません。ウイルスは自力で増殖することはできませんが、他の生物の細胞に入り込み、その細胞の機能を使って増殖しているのです。ウイルスは他の生き物に寄生して、助けてもらわないと増えることができないのです。

ウイルスの中には、構造の一番外側にエンベロープという膜がついているものがいます。有名なものでいうと、インフルエンザウイルスやコロナウイルスなどがいます。この膜がついているウイルスはエタノールをかけられると死んでしまうものがほとんどなので、感染予防として、アルコール消毒が有効なのです。

ウイルスが原因の代表的な感染症には、風邪、インフルエンザ、麻疹などがあります。

抗生物質とは?

医療に関係のない仕事をしている方でも、抗生物質を飲むことは病気の治療としてよく知られていると思います。抗生物質は抗菌薬とも言われ、文字通り、細菌を退治する薬です。上記で比べた通り、細菌とウイルスは仕組みが違います。そのため、ウイルスには抗生物質は効きません。多くの人がかかりやすい普通感冒、いわゆる風邪はウイルスが原因なので、病院で薬が欲しいと言ってもそのウイルス自体を退治する薬はほぼありません。熱を下げる、咳を抑えるなどの症状を緩和する薬はありますが・・・。なので、風邪をひいた時は、十分な休養と栄養を取って、ご自身の免疫に頑張ってもらいましょう!